日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
紫外光照射が未染色およびC.I.Disperse Orange 3で染色したナイロン6繊維の力学的性質におよぼす影響について
桂木 奈巳酒井 哲也酒井 豊子
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 50 巻 7 号 p. 723-727

詳細
抄録
本報では, 分散染料で処理したナイロン6繊維とその対照試料の強伸度曲線上における紫外線光照射の影響について調査した.紫外光を照射した試料の破断点は, 照射時間に依存して未照射試料の強伸度曲線の基本的な形を保ちながら低伸度側に向かって低下した.この現象は, 非晶域の高凝集エネルギーをもつ領域は低い凝集エネルギーをもつ領域よりもダメージをうけやすいという仮定を示唆する.およそ20時間までの紫外光照射では, 破断強度は未処理, 対照試料, 染色試料の順に減少する.しかし, 20時間以上の照射になると, 染色試料と対照試料の値は逆転する.それらの結果もまた上述の仮定をもとに議論された.
著者関連情報
© 社団法人日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top