キウイフルーツ果実よりアクチニジンを精製し, 異なるpH条件下において豚, 鶏および牛筋原線維タンパク質に対する加水分解作用を調査した.いずれの動物種においてもアクチニジンは, pH3~4の条件では, 筋原線維タンパク質を非選択的かつ非限定的に加水分解したが, pH5.5~8では, ミオシン重鎖を選択的かつ限定的に加水分解することが示唆された.これに対して, 従来食肉軟化剤として多用されてきたパパインやプロメラインは, いずれのpHにおいても筋原線維タンパク質を非選択的・非限定的に加水分解した.この結果より, これらの酵素を食肉軟化剤として使用する場合, 食肉に対する過度の加水分解を防ぐためには, パパインやプロメラインよりもアクチニジンの方が優れている可能性が示された.