日本家政学会誌
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女性教師の服装に対する児童の認知
田村 和子
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2003 年 54 巻 9 号 p. 769-776

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抄録

公立小学校の4, 5, 6年生の児童を対象として, 女性教師の服装に対する認知を調査し, 服装間, 男女間, 学年間, そして被服に対する特性と教師のパーソナリティ特性の関係について検討した.
結果は以下の通りである.
1) 服装間には認知の相違が存在し, 日常着と体操着間に顕著であった.
2) 男女を比較すると, 男子よりも女子の方が教師の服装に対する「好き」, 「先生らしい」の得点が高かった.
3) 総合認知得点を比較したところ, 女子の場合に, 学年間で違いがみられた.ビジネススーツは5学年の方が6学年よりも得点が高かった.そして, 体操着は4学年よりも6学年の方が得点が低かった.
4) 重回帰分析を行ったところ, 女子において, Y=0.624×相談+0.610×勉強-0.996の回帰式が求められた.
以上の結果から, 教師の服装に好意をもっている女児は「相談にのってくれる」「勉強がよくわかる」を判断し, 被服が評価の手掛かりの一つとして用いられることがわかった.

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