総合健診
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日本総合健診医学会 第45回大会
日本総合健診医学会 第45回大会・シンポジウム1 加齢リスクとサプリメント
特定保健指導における栄養指導方法の工夫
尾方 祐子藤川 あゆみ森 香織森川 清美村上 光當麻 康弘高尾 祐治菅 守隆
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2017 年 44 巻 5 号 p. 648-652

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抄録

【目的】当センターでは積極的支援レベルの受診者に対して6ヶ月間に初回面談、運動相談、栄養相談、中間面談、最終検査を実施している。その中で食事記録表や食育SATシステムを用いた栄養指導を行っているが、食事の量以外の問題点も多く、効率的な栄養支援を実施できていない。2014年度より全ての対象者に食行動質問表を記入してもらい、問題となる食行動を洗い出してその指導を追加した。今回、食行動質問表の導入前後における食行動の変化について検討した。
【対象と方法】積極的支援レベル対象者を、食行動質問表の導入前のA群146名(2012年度~2013年度、平均年齢49.9歳)と導入後のB群174名(2014年度~2015年度、平均年齢49.4歳)に分けた。問診22項目のうち食事関連項目と最終時アンケート結果をA群とB群で比較した。
【結果】問診22項目の食事関連項目のうち「朝食を食べるようになった」はA群25.0%、B群46.4%、「食べる速さが改善できた」がA群11.5%、B群21.0%、「就寝2時間前に食事をしていない」がA群28.9%、B群41.3%であった。アンケート結果では「食事目標が実践できた」がA群33.1%、B群44.0%であった。その他の項目においてもB群に改善した者が増えた。
【まとめ】食行動質問表導入後に食行動が改善した人が増えたことから、食行動質問表を使った支援は効率的に栄養支援を行えると思われる。問題点を絞ることで、「食べ方」や「食事時間」および「食事内容」などについて自ら改善に取り組みやすくなると思われる。今後は食行動質問表を用いた支援方法の具体的な活用法を検討したい。

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© 2017 一般社団法人 日本総合健診医学会
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