2015年死亡原因の10位である慢性閉塞性肺疾患の悪化を予防することは、総合健診の大きな役割である。呼吸機能検査から算出される肺年齢は、同性・同世代と比較して自分の呼吸機能がどの程度であるかを示す指標である。総合健診の受診者の80%が非喫煙者である。非喫煙者において、肺年齢が暦年齢より10歳以上高値を示したものは31%、対実測1秒量低下あるいは1秒率70%未満は11%存在した。彼らがこれらの異常値を示した場合、その原因と対策を探った。横断調査では、体重増加とくに内臓脂肪増加が検査値悪化の要因と考えられた。縦断調査で、体重を減らすことが肺年齢を改善、体重増加が悪化させることを確認した。しかし体重軽減が真のCOPDの病態、気道の炎症を改善させたかは不明である。