総合健診
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この1年間の人間ドック受診者満足度変化と次回利用希望に関わる因子の解析
清水 孝郎市吉 佳代子田野 明美増田 れい子金田 恵美子餅 三喜雄吉川 博通
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2003 年 30 巻 5 号 p. 503-507

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抄録

住友病院は平成12年9月に新病院に移転し, 健診業務を拡張して健康管理センターを開設した。健康管理センターの人間ドックでは大人数の受診者を混乱なく誘導し, 短時間で終了させる必要がある。新たな誘導・検査・診察システムを評価するため, 受診者満足度を調査した (1期: 平成13年10月~14年2月, 2期平成14年11~12月) 。健診終了時にアンケート用紙を配布し, 受付に設置した箱に回収した。健診回数, 紹介元, 予約者, 年齢, 性別, 各部門の応対 (予約受付, 受診・会計受付, 採血, 身体計測, 放射線科, 心電図検査, 腹部超音波検査, 内科, 外科, 婦人科, 面談, 宿泊ドックでは耳鼻科, 眼科, 泌尿器科も) , 検査に対する不安, 待ち時間, 次回利用希望を調査した。日帰り健診者数は1期15.5名/日, 2期26.1名/日であった。応対の「とても良い」は2期では1期に比べて減少した (平均12%減) が, 「良い」「とても良い」の和は全部門において87-99%と不変であった。次回も当院を「是非利用」は1期の61%から2期の55%に減少し, 「機会があれば利用」は38%から45%に増加した。待ち時間の短い~適当は, 78%から67%に減少した。次回受診希望は1期では紹介元, 検査不安以外の全項目と, 2期では紹介元, 眼科, 耳鼻科, 泌尿器科, 検査不安以外の全項目と関連していた。受診者要因では両期とも男性, 高年齢, 継続受診者, 自分で予約した人に次回利用希望が多かった。多変量検定では, 1期は健診回数, 自分で予約, 面談, 待ち時間と, 2期は健診回数, 外科診察 (特に女性) , 待ち時間と関連していた。以上をまとめると, 2期では受診者数が1.7倍に増加したが, 「良い」以上の応対評価は変わらなかった。しかし「とても良い」評価が減少し, 次回是非利用も減少した。次回是非利用は主に健診回数, 待ち時間と関連し, 女性では外科診察の応対が強い影響を与えた。

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