人間と生活環境
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冬期入浴中の浴室温度と湯温が部位別温冷感・快適感に及ぼす影響
河原 ゆう子齋藤 輝幸久野 覚岩瀬 敏美和 千尋永田 まゆみ新美 由紀
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2003 年 10 巻 1 号 p. 25-31

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抄録

冬期入浴中の部位別温冷感・快適感を探索し,入浴中の心理的評価構造および暖冷房評価に用いられている温冷感尺度を入浴時に使用したときの問題点を指摘した.上半身の曝露温度が低い半身浴では,上半身・下半身それぞれが曝露されている温熱環境を感知するが,上半身の曝露温度が中立温では,上半身温冷感・快適感は温熱刺激の強い下半身の曝露温度に影響される.また,全身浴は体の大半が湯に曝露されているため,部位別温冷感・快適感とも感じ分けができなくなる.暖冷房評価用の尺度を入浴時の温冷感申告に使用すると,尺度に水没部位の温冷感を表現しにくい言語が含まれているため,全身温冷感の申告時に表現しやすい部位の温冷感を選択する懸念があり,また,全身温冷感は上半身温冷感と下半身温冷感を加算している可能性があることを示した.したがって,水没部位と非水没部位で尺度を変えたほうが,適切に入浴中の心理的評価を行えると考えられた.

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© 2003 人間-生活環境系学会
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