人間と生活環境
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地球環境問題に対する意識と環境配慮行動に及ぼす年齢、性差の影響 : 名古屋地区におけるアンケート調査から
小田 奈緒美大野 秀夫
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2007 年 14 巻 1 号 p. 25-32

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抄録

近年、マスメディアなどの影響もあり、地球温暖化など、さまざまな地球環境問題に対する関心が高まっている。環境省は、地球の自然環境を維持するためには、一人一人の環境配慮行動を促進される必要があると、環境教育の推進を掲げている。現在、学校では環境教育が行われているがここ20〜30年の話である。もし、環境教育が環境配慮行動に有効であるならば、環境教育を受けた年代と受けていない年代では、環境配慮に対する意識と行動が異なるかもしれない。また、家事などをする女性の方が男性よりも環境配慮行動が高くなるとも考えられる。本研究では、地球環境についてのアンケート調査を2002年夏に各年代を対象にしてこの仮説の検証を試みた。そこで、年代別および性差別に見た環境意識と実態を明かにし、環境教育が環境配慮行動に及ぼす影響を調べた。以下にそのアンケート結果を示す。1)地球環境問題に対する知識はどの年代も高く年齢による差はなかったが、オゾン層破壊などは、70歳以上の年代において50%しか知らなかった。2)女性の方が男性より環境に配慮した行動が多かった。3)環境ボランティア活動をした経験のある人ほど、日常の環境配慮行動を多く行なっていた。結論として、環境教育が、地球環境問題への意識を促進することに大きな役割を持っていることがわかった。

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© 2007 人間-生活環境系学会
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