本研究では、教育機関のICT活用学習におけるデジタルコンテンツのカラーアクセシビリティを向上させ、疲労感を抑制するVDT(視覚表示端末)画面の明度条件を明らかにすることを目的とした。文字と背景の明度が異なるグレースケールの陰画表示8条件を用い、大学生のVDT課題遂行における作業効率、生理指標及び心理評価を測定した。その結果、作業量と誤入力率については、8条件間に有意差は認められなかった。血圧、心拍数については、8条件とも作業前後に有意差は認められなかった。CFF値については、8条件間の変動率に有意差が認められ、国際基準に適合する条件はCFF値変動率が低かった。疲労感については、明度差が最大及び明度差の低い条件において疲労評価スコアが増加した。グレースケールの陰画表示画面では、明度差が最大及び明度差の低い条件を除く中間明度差の条件(HLS色表現によるL値の差:160から224)が適していることが示唆された。