本研究の目的は、入浴中の快適感を向上させる送風方法を検討することである。実験は、総風量を統一して風速を周期的に変動させた3つの送風条件(定常送風、リズム送風、段階リズム送風)と、無風の対照条件の計4条件で、心理、生理両面から評価した。その結果、風速の周期的変動は、皮膚温や心拍数の上昇抑制と、温熱性の快適感を長く維持する働きを助けることを明らかにした。また、入浴中の快適感は額の皮膚温との間に近似した2次曲線が描け、かつ直接冷却していない前腕皮膚温の上昇抑制も影響することを示した。さらに、総風量が同じ条件において快適感の維持に適した送風は、気流を周期的に変動させて最大風速値を大きくすることが適していることを示した。