1995 年 2 巻 1 号 p. 92-100
本研究では,人体への不均一放射の影響を解析するための人体モデルを作成した。人体モデルの妥当性を確認するため, Fangerの形態係数データと比較した。さらに,不均一放射環境下における被験者申告実験を行い,被験者申告値とPMVを比較検討した。その結果,均一環境では被験者申告値とPMV値は良く一致していたが,不均一放射環境下では申告値とPMV値に大きなずれがみられるものが存在した。人体モデルによる部位別評価を行った結果,このずれは人体各部位に入射する放射熱量の不均一さによって引き起こされることが推測され,人体モデルによる不均一放射環境評価の可能性が見いだされた。