人間と生活環境
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試合調整期における陸上短距離選手のエネルギーバランスと主観的コンディションの検討
村松 愛梨奈安達 瑞保寺本 圭輔乙木 幸道井川 正治
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 22 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

本研究では,陸上短距離選手を対象として1日の総エネルギー消費量(TEE)と身体活動レベル(PAL),エネルギー摂取量(EI),エネルギーバランス(EB)を明らかにし,主観的な身体コンディションの変化との関係を検討することを目的とした. TEEおよびEIは,二重標識水法および食事記録法を用いて測定を行った. TEEは3775±747kcal/day, PALは2.21±0.52であった. PALは日本人瞬発系スポーツ選手における通常トレーニング期の基準値(2.00)よりも高い値を示した.一方でEBは-852±806kcal/dayであり,試合調整期は負のEBを示すことが明らかとなった.またPALが高い選手ほど,負のEBを示す傾向があることが明らかとなった.主観的コンディションの変化は, EBと関連性は認められなかったが,三大栄養素のエネルギー比率(PFC比)に影響される可能性が示唆された.したがって,試合調整期においては, PALが高値を示すために,充分なエネルギー摂取が必要不可欠である.また, PFC比が身体コンディションに影響を及ぼす可能性があるため,エネルギー摂取量におけるPFC比を考慮することが大切である.

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© 2015 人間-生活環境系学会
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