人間と生活環境
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大学生の味感覚の実態に関する研究
廣瀬 正幸棚村 壽三山本 健光田 恵
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 23 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

食品を用いた官能評価のパネルを選定するための味の識別試験の呈味物質濃度に関しては、約40年前から研究がなされているが、約40年前から食の多様化による変化によって、若者の味覚が変化している可能性がある。そこで、本研究では、既往の研究濃度を参考に、三点識別試験法を用いて大学生の味の識別能について検討を行った。得られた知見は以下のとおりである。1)味の検知率は、甘味が47.9%、塩味が98.6%、酸味が47.9%、苦味が49.3%、うま味が91.8%であった。味の認知率は、甘味が39.7%、塩味が68.5%、酸味が34.2%、苦味が35.6%、うま味が60.3%であった。2)既往の配偶法と今回の三点識別試験法の認知率を比較すると、塩味とうま味はほぼ同じ値であったが、甘味や酸味、苦味は三点識別試験法の方が約20~30%程度低い値であった。

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© 2016 人間-生活環境系学会
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