夏期において、より高い外気温でも室内温熱環境を通風のみで許容状態に保つことができる窓開放面積の提案を目的とし、窓面積率と南北窓面積比の2つをパラメータとして熱・換気回路網計算プログラムNETSを用いた検討を行った。名古屋近郊に立地し、南からの卓越風を有する住宅において2013年夏期に実施した被験者実験の申告結果に基づき、通風時室内PMV1.67を通風利用可能上限値として窓開放面積を検討した。その結果、室と吹抜けの位置関係によって適した窓開放面積は異なり、窓面積率が一定であっても南北窓面積比により、通風利用可能時間に夏期1日あたり2時間近く差が生じる場合があった。また効果的な通風のためには、外気温低下時に適切な窓開放面積とすることや、窓面積率が小さいときほど南北窓面積比を考慮して通風することが重要であることを示した。さらに、冷房使用期60日間について南北窓面積比が通風利用可能時間に及ぼす影響を検討し、適切な南北窓面積比が冷房使用時間の短縮に有効であることを示した。