人間と生活環境
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非喫煙時を考慮した喫煙室におけるにおいの評価指標の検討
光田 恵萬羽 郁子棚村 壽三岩橋 尊嗣
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2020 年 27 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

本研究では、喫煙室のにおいの評価指標として用いることができるにおい物質について検討を行った。分煙機と換気扇が設置された喫煙室において、特定悪臭物質と酢酸の濃度、臭気強度、快不快度、臭気濃度を測定した。その結果、非喫煙時でも、喫煙者パネルによるにおい評価では、臭気濃度32、臭気強度約2.5となり、認知閾値以上の値を示した。また、喫煙室のにおいの感覚とにおい物質濃度の対応については、喫煙時には、アセトアルデヒド濃度はにおい感覚と対応がみられるが、非喫煙時には対応が認められなかった。喫煙時だけでなく、非喫煙時の残留臭・付着臭も考慮したにおい感覚と対応のあるにおい物質を検討した結果、ノルマルバレルアルデヒド濃度がにおい感覚と対応がみられ、喫煙室のにおいの評価指標として用いることができる可能性が示唆された。

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© 2020 人間-生活環境系学会
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