奈良県在住のフレイル(虚弱)高齢者9名(79.1±6.1歳、要支援1~2またはそれ相当)を対象に、夏期および冬期における睡眠と寝室温熱環境の実態調査を行った。調査対象者の自宅にて寝室温湿度、日中活動量および睡眠中体動量を計測した。夏期・冬期ともに就寝前にエアコンなどの冷暖房機器を切るものが多かった。寝室温度は夏に高温、冬に低温を示す傾向にあり、既往研究で調査されてきた活動的な高齢者と同様の傾向を示した。夏期は寝室温度が高温になるほど中途覚醒回数や姿勢変更回数が増え、睡眠の質を低下させている可能性が示唆された。一方、冬期は夜間に寒さを感じながらトイレに行く行動がみられたことから、ヒートショックを防ぐためにも寝室やトイレの室温を高めに保つことも重要である。