1999 年 6 巻 2 号 p. 92-97
鉛の環境負荷量は,地球規模で見ても,あるいは日本においても,減少してきている。それにともないヒトの鉛負荷量も減少し,現在では,たとえばアメリカCDCのactton levelに比較すれば,深刻なレべルにはない。ただし,地球の隅々まで及んでしまった人為起源鉛の環境負荷のために,低レべル鉛暴露による人体影響について評価しきれていない。したがってヒト鉛負荷量は可能な限り低く抑える必要があり,そのためにも現代日本人の鉛暴露源を明らかにしておく必要がある。食物,大気以外にも生活環境の中にある鉛源を明らかにするとともに,子宮内での暴露についても考えていく必要を指摘した。