人間‐生活環境系シンポジウム報告集
Online ISSN : 2434-8007
第41回人間-生活環境系シンポジウム報告集
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生業の変化と気候への適応により形成された中山間地域の集落景観
*立川 あゆ橋本 剛栗原 広佑伊藤 梨沙
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p. 111-114

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抄録

片曽根山麓に中山間地域の斜面地集落が点在する福島県田村市船引地区を調査地域として選定し、生業の変 化と気候への適応が集落景観形成に与えた影響を明らかにすることを目的として現地調査を行った。その結果、タ バコヤ、土蔵、板倉といった付属屋の現存状況や、イグネ等の人工林の配置傾向が地域ごとに異なることが明らか になった。各地域で営まれてきた生業については、業種や規模に大きな差異はないが、諸生業を辞めた時期、特化 していた生業等に各地区の特色を確認できた。付属屋や樹林地を主体とした集落景観形成の地域的特性は、小気候 特性や地形条件等の「小気候・地形的要因」が基礎的な景観の枠組みを生み、それが葉タバコ栽培、養蚕、馬産等 の諸生業の盛衰や生産体系の変化等の「生業的要因」と関係しながら変化・形成されてきたことを明らかにした。

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© 2017 人間‐生活環境系学会
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