人間‐生活環境系シンポジウム報告集
Online ISSN : 2434-8007
第46回人間-生活環境系シンポジウム報告集
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気温および気流速が眼の不快感に及ぼす影響の生理的メカニズムに基づく評価
*伊藤 佳乃子高田 暁
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p. 27-30

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抄録
オフィスなどで眼の乾燥による不快感の訴えが多数報告されており、温湿度や気流速といった室内環境条件がその要因となっていることが示唆されている。本研究では、気温および気流速が眼の不快感に与える影響を明らかにするための予備的検討として、被験者1名を対象に、絶対湿度一定のもと、眼近傍の気温(24–29°C)および気流速(0.5 m/s以下)を同時に操作し、眼の不快感に関連する生理・心理応答を測定する実験を行った。この結果、0.3 m/s以上の低湿気流への曝露は、瞬目回数を増加させ、さらに眼の不快感、乾燥感および刺激感を引き起こした。さらに、気流の温度が低く、また速度が大きいほど眼球表面温度が低く、瞬目回数が多い傾向があった。上記の結果は、一般的な空調室で想定される範囲における気温および気流速の変化が、眼の表面を保護する涙液層の状態に影響を与えることを示唆している。
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© 2022 人間‐生活環境系学会
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