抄録
暑熱環境下では太陽光による皮膚温度の上昇が引き起こされ心拍数増加などの身体負荷、疲労感、運動パフォーマンスの低下に関連していることが示唆されている。特に、ゴルフなどの長時間屋外に滞在するスポーツでは太陽光の影響が顕著であると考えられる。本研究では太陽光の熱の原因である近赤外線を遮断する衣類と日焼け止めが身体の状態、疲労感、パフォーマンスに及ぼす影響を検討した。夏季の晴天時を模した条件で10名の18~22歳の健康な男性ゴルファーを対象に、近赤外線のカット率が低いスポーツウェアとUVカットのみの日焼け止めを使用するcontrol条件と、近赤外線のカット率が高いスポーツウェアと日焼け止めを用いるtest条件でパター試験を実施した。その結果、test条件ではcontrol条件と比較して心拍数と発汗量の減少傾向が見られ、近赤外線をカットすることで身体負荷を軽減し、パフォーマンスに貢献できる可能性が示された。