人間‐生活環境系シンポジウム報告集
Online ISSN : 2434-8007
第48回人間-生活環境系シンポジウム報告集
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窓ガラス性能の異なる低放射空間の温熱環境と在室者の評価
エアコン立上り時の検討
*横江 彩垣内田 洋
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p. 95-98

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抄録
標準環境と低放射環境の2室において、窓ガラス性能2種(3mm板ガラス、断熱フィルムU=4.6塗付ガラス)を変更し、計4条件の環境下におけるエアコン立上り時の人体の生理・心理反応を探った。その結果、低放射室の方が温度、PMVともに標準室よりも早く低下し、実験終了時までその傾向が続いた。また、窓ガラス仕様の違いによる上述の結果の差は、低放射室の方が顕著に現れた。生理反応のうち、平均皮膚温は入室後から低下し、その低下度合いは低放射室の方が標準室よりも大きく、窓ガラス仕様で比べると、断熱フィルムを用いた低放射ガラスの方が普通板ガラスを用いた条件よりも約0.5℃低く現れた。心理的には、低放射環境では時間経過とともに「涼しい」側の申告のみとなり、断熱フィルムを用いる場合は普通板ガラスを用いる場合よりも、入室時から速やかに「涼しい」側に変化した。このように、温熱環境の変化に応じて生理・心理反応も変化していることが明らかとなった。
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© 2024 人間‐生活環境系学会
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