日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
外来がん化学療法患者の支援における地域薬剤師の問題点についての検討
島ノ江 千里持永 早希子平野 和裕中野 行孝藤戸 博
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2010 年 11 巻 3 号 p. 189-195

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抄録

 外来がん化学療法を安全に実施するには、保険薬局の薬剤師を含めた地域全体の医療スタッフによる疾病管理が重要である。今回、「がん化学療法研修会」に参加した薬剤師202名(薬局薬剤師137名、病院薬剤師61名、その他4名)を対象に外来がん化学療法患者への服薬指導上の問題点や薬剤師による患者への支援の重要性、外来がん化学療法に関する知識の自己評価についてアンケート調査を行い地域薬剤師における問題点を検討した。

 今回の調査の結果、 薬剤師が在宅がん患者に行う支援において、病院薬剤師と薬局薬剤師は共通の役割意識と問題意識を持っており、がん患者への服薬指導時の問題として薬局薬剤師の71.1%と病院薬剤師の51.1%が自分自身の知識不足をあげ、さらに薬局薬剤師では患者情報の不足を服薬指導時の問題点とあげている者が多かった。また、外来がん化学療法に関する知識の自己評価は、外来がん化学療法患者への服薬指導の経験や勤務年数の長さによって高くなっていたが、服薬指導経験がある群と勤務年数が10年以上の群で病院薬剤師と薬局薬剤師の自己評価の得点には有意な差がみられた。

 在宅がん患者の支援を地域で円滑に行うには、地域薬剤師の質の確保が重要であり、職場環境の違いによる問題を回避するために、地域連携クリティカルパスなどのツールを用いて、施設内外の薬剤師の役割や情報を明確にし、ガイドラインの作成や研修会により地域薬剤師のスキルの標準化を行っていくことが重要である。

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