日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
がん化学療法における骨髄抑制への対策の実態 −ASCO ガイドライン適合性の検討−
清水 幸雄岡澤 美貴子折井 孝男
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2010 年 11 巻 3 号 p. 196-200

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抄録

 抗がん剤を用いたがん化学療法は、効果の反面、副作用の出現が治療の継続に支障をきたす場合がある。抗がん剤投与により誘発される骨髄抑制は抗がん剤の用量規制因子であるため、がん化学療法は血球減少に伴う合併症予防と対策を念頭において施行されなければならない。

 本研究は、東京大学医学部附属病院におけるがん化学療法施行患者への顆粒球コロニー形成刺激因子製剤(granulocyte-colony stimulating factor:G-CSF)使用状況を調査するとともに、米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)のG-CSF使用ガイドライン(2006)の適用状況について検討した。対象患者は2006年4月1日から2006年4月14日までにがん化学療法を行った入院患者125例であり、このうちG-CSFが投与された患者は27例(22%)、G-CSFが投与されなかった患者は98例(78%)であった。G-CSFを投与された患者27例中11例(40.7%)はASCOガイドラインのG-CSF投与基準を満たし、16例(59.3%)は満たしていなかった。G-CSFを投与されなかった患者98例中94例(95.9%)はASCOガイドラインの G-CSF 投与基準を満たし、4例(4.1%)は満たしていなかった。本研究により、G-CSF が過剰に予防投与されている可能性が示唆された。

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