日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
全職種を対象にした就職後3年・5年研修の検証
勝尾 信一吉江 由加里坂下 香苗渡邉 まどか
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キーワード: 職員教育, 研修, 語句抽出法
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2011 年 11 巻 4 号 p. 256-259

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抄録

 新田塚医療福祉センターは、4法人11施設1株式会社からなる複合施設群である。2010年6月時点で、全職員数は1100名を超え、職種も多岐にわたっている。今回、医師を除く全職種が参加する指定研修のうち、3年研修と5年研修に関して、研修後課題として提出したレポートを元に調査した。3年研修は、多職種との交流を図ることにより自分の立場を見直すことをテーマに、5年研修は、自分たちの技術・技能がセンターにどのように貢献しているのか自覚することをテーマにしている。対象は、2007年度実施の3年研修と2009年度実施の5年研修の両方に参加した46名である。方法は、レポートからの語句抽出法を用いた。抽出した語句は、研修のテーマ、研修方法、個人、同僚、職種・部署、施設・センター、経営、人材育成の8項目に関連したものとした。「研修テーマ」の使用率は、3年研修71.7%、5年研修91.3%だった。項目別に3年研修と5年研修の使用率を比較すると、「職種・部署」と「施設・センター」と「経営」が増加し、「同僚」と「人材育成」が減少していた。個人別には、3年研修は4.41項目、5年研修は5.46項目だった。この結果は、各々の職員が広い視野に立てるようになってきた成長の証と受け取れる。しかし、「経営」の使用率は5年研修で30%台と低いものだった。全職員に経営意識を植え付ける必要がある。また、現場教育の充実のために、継続して人材育成の意識を持たせなければならない。

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