日本医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6807
Print ISSN : 1881-2503
ISSN-L : 1881-2503
事例報告
病院勤務医に対する委員会業務の意識と実態の調査
勝尾 信一
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 12 巻 4 号 p. 250-254

詳細
抄録

 新田塚医療福祉センターに勤務する医師48名に対し、委員会業務に対する意識をアンケート調査し、実態と絡めて検討した。31名の医師が延べ87委員会に所属していた。延べ81名(委員長30名、委員51名)から回答を得た。委員会業務を負担と回答したのは全体の42.0%で、特に委員長は70.0%と高率だった。委員会業務負担軽減の工夫をしていると回答したのは全体の24.7%で、特に委員長は56.7%と高率だった。61.8%の医師が委員を交代したいと回答した。委員会業務時間は年間平均29.5時間で、特に委員長は61.4時間と長かった。委員会業務時間と委員会業務負担は相関が見られたが、委員の交代とは相関がなかった。病院勤務医は、委員会の必要性は理解しているが、委員会活動が日常業務の負担の大きな要因となっている。そして、負担と思っている以上に委員を交代したいと思っている。しかし、委員長は高率に負担と回答したが、委員会出席率は高く、交代したいのは半数だった。診療業務に直結した委員会というのもあり、委員会業務に使命を感じていると思われる。委員会業務を軽減するために、医師事務作業補助者を有効に活用したり、他の委員会や部署と調整したりする必要がある。また、疲弊させないために、インセンティブを与えるのも一つの方法である。

著者関連情報
© 2012 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
前の記事 次の記事
feedback
Top