日本医療マネジメント学会雑誌
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原著
リハビリテーションの提供形態の違いが主介護者の健康関連QOLに与える影響
金川 仁子伊藤 道哉尾形 倫明金子 さゆり藤森 研司
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2016 年 17 巻 1 号 p. 14-21

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抄録

 訪問・通所によるリハビリテーション(以下リハ)が、主介護者に及ぼす影響を健康関連QOLの観点から調査し、在宅サービスにおけるリハのあり方を検討した。

 方法として、訪問リハ、通所リハ、併用リハの3群を設定し、リハ開始から6ヶ月後のSF-36の変化の特徴を把握した後、3群の得点差を多重比較した。

 その結果、いずれのリハを利用しても主介護者の「心の健康」は保たれるが、「身体機能」は改善されず介護負担感の増悪につながる可能性が示唆された。さらに、各群の特徴として、通所リハの提供によって介護から離れる時間を持つことで、「体の痛み」の改善に寄与する可能性がある。また、通所リハ群と併用リハ群で改善された項目は、「全体的健康感」・「社会生活機能」・「日常役割機能(精神)」であることから、通所リハの利用は主介護者のメンタルケアに重要な役割を担うことが示された。加えて、3群の得点差の比較では、併用リハ群で有意な改善がみられ、「疲れ果てており活力がない」、「仕事やふだんの活動時間が確保できない」と感じている主介護者に、両方のリハを同期間に提供することで効果が得られる可能性が高い。

 訪問・通所によるリハの提供は主介護者の健康関連QOLの改善を図る上で有益であり、リハの提供形態による改善の特徴を生かし提供することが重要である。さらに、リハを併用することにより改善がみられることから、多面的に提供できるリハのシステムの構築が望まれる。

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