日本医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6807
Print ISSN : 1881-2503
ISSN-L : 1881-2503
事例報告
毎週行う病院マネジメント会議の実際と効果
野口 智恵子永易 卓山脇 康弘井上 寛森 益規山中 英治
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 17 巻 3 号 p. 145-149

詳細
抄録

 病院は大きな変革の時代を迎え、日々生じる問題点、課題を早期に解決しなければならない。そこで、病院経営に直面する様々な問題に対して迅速に対応すべく、毎週、経営改善と経営の質向上を目的に病院マネジメント会議を行い、組織的にPDCAサイクルを回してきた。週ごとにKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)の変動を把握し、情報共有し、吐下血等の消化器疾患や脳卒中など、地域で不足する医療体制について専門医を確保し、救急医療体制を整備するなど、需要に応じた対策を講じてきた。需要の多い疾患に対する医療体制を確保することで複雑性指数が高くなり、後方連携の充実、早期リハビリテーション開始と逆紹介の推進で効率性指数も上がり、かつ再入院も少ないという質の良い医療の提供につながった。DPC/PDPS(Diagnosis Procedure Combination/Per-Diem Payment System)における機能評価係数 II が上昇した。なかでも平均在院日数や重症度を表す効率性指数、複雑性指数が上昇したことから、病院マネジメント会議は非常に有効な活動であると思われる。今後も様々な情報を集約し、分析データをもとに将来の病院機能について意思決定を進めていかなければならない。

著者関連情報
© 2016 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
前の記事 次の記事
feedback
Top