日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
医師が考える医師事務作業補助者の現状評価と今後の業務拡大
園田 美樹片渕 茂
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2016 年 17 巻 3 号 p. 150-153

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抄録

 国立病院機構熊本医療センターは、23診療科に対し43名の医師事務作業補助者(以下、ドクター秘書)が配置され、導入後6年が経過した。この間にドクター秘書の補助業務の到達レベルが十分把握できていないことに加え、医師の業務追加要望が不明であることが明らかとなった。現状の教育体制で医師の負担軽減に繋がっているかに加え、今後の業務拡大の内容を検討するため、ドクター秘書と医師へアンケート調査を行った。

 外来診療補助については、全体的には現在の補助割合も高く、将来補助可能な割合も高い結果であった。また、医師が最終時に入力した内容とドクター秘書の入力した内容を比較し、業務内容が8割以上正確だと回答した補助業務別の割合は、次回診察予約オーダと検査結果出力が85%、予約票出力が82%、検査結果貼付補助は74%、再診時診療記録の入力補助は72%、初診時記録の入力補助は67%だった。診察がスムーズに進むような細部までの気配りは81%、診察内容や患者の病態を考慮した予約調整は67%で秘書的業務も高評価だった。現状以上に補助可能と医師が考えているものは、高度な医学知識が必要なものが多く、さらなる知識・技能の向上が必要である。

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