2020 年 20 巻 4 号 p. 175-178
全国的に救急搬送される患者は年々増加し、特に高齢者、軽症例が多くなっている。独立行政法人地域医療機能推進機構九州病院(以下、当院)に、救急搬送される患者も増加傾向である。その中で当院入院適応ではない軽症で、身体的、社会的理由により、帰宅困難な患者が増加している。このような患者は、救急外来から直接、近隣医療施設へ転送しており、転送件数も年々増加している。救急外来での転送に伴う業務が繁雑化しているため、転送調整時の問題点を分析し対策を検討した。転送マニュアルを作成することで、業務の効率化、標準化が図れ、転送する患者の救急外来滞在時間短縮に繋がった。さらに患者の生活歴、社会背景等を記載した情報シートを活用することで、院内及び転送先との連携が円滑となった。