2014 年 11 巻 p. 13-20
本研究は大学受験生活が体格・体力に及ぼす影響を検討するため、1976年から2010年までの35年間における男子大学生現役入学者(以下、現役群)8130名、1年浪人入学者(以下、浪人群)2736名を対象として分析した。測定項目は、身長、体重、%FAT、握力、背筋力、垂直跳び、立位体前屈、反復横跳び、5分間走である。年代間の変化を検討するため、1976年から1980年までを1970年代、1981年から1990年までを1980年代、1991年から2000年までを1990年代、2001年から2010年までを2000年代の4つの年代に分類し、現役群と浪人群の年代別変化を2×4の二要因分散分析を用いて統計処理した。その結果、体格では体重と%FATに現役群と浪人群間に有意な差がみられ、長期にわたる浪人群の「過体重・高脂肪」が示唆された。体力では、垂直跳びと5分間走に現役群と浪人群に有意な差がみられ、特に5分間走の浪人群の著しい低下が認められた。
以上のことから、長期の受験生活は肥満化をもたらし、体力面では筋パワーと全身持久性に悪影響を及ぼすことが示唆された。