保健物理
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わが国の原子力発電所周辺海域における海産生物, 海底土および海水中137Cs濃度の長期傾向
高田 和夫鈴木 譲
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2003 年 38 巻 2 号 p. 128-139

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抄録

1. 経年変化の傾向が判然としなかった海産生物および海底土中137Cs濃度について有意な減少を示す割合の多いことが認められた。
2. 表面水および200m以浅の下層水中137Cs濃度について明瞭な経年減少を示すことが認められた。
3. 200m以深 (水深200~500m程度) の下層水および海底土中137Cs濃度は, それ以浅におけるよりも, 緩慢に減少することが明らかになった。
4. 200m以浅および200m以深 (水深200~500m程度) の各層において, 海水中137Cs濃度と海底土中137Cs濃度 (200m以浅では海産生物中137Cs濃度を含む) は平衡状態にあることが示唆された。

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