抄録
本研究は,血液透析患者における家族機能に対する認知的評価と精神的健康との関連性について構造方程式モデリングを用いて検討することを目的とした。A県腎臓病患者連絡協議会に所属する血液透析患者1,705名を対象に性別,年齢,世帯構成,透析の種類,透析歴(月数),Katz Index,合併症の有無,就労状況,経済困難感,家族機能認知ならびに精神的健康について回答を求めた。当該項目に欠損値のない464名のデータを使用して解析を行った結果,家族機能認知と精神的健康との関連性の検証では,家族の凝集性と精神的健康との有意な関連が確認されたが,家族の適応力との間には有意な関連は確認されなかった。臨床介入において,ソーシャルワーカーには血液透析患者が家族の凝集性をどのように認知しているかに着目し,精神的健康の維持・向上を目指した相談援助を展開することが求められる。