抄録
本研究目的は,若年妊婦のストレスフルライフイベントにおける対処方略パターンとその変化を見出し,看護の方向性を考察することである。研究同意の得られた17〜18歳の初産婦10名を対象に,出産までの辛いイベントをライフラインで描写してもらい,半構造化面接を行った。得られたデータを質的に分析した結果,『月経停止による妊娠の懸念』『実母への妊娠の告知』など5件のストレスフルライフイベントと,【パートナーに詰め寄る】など13件の対処方略パターンを得た。そして,若年妊婦は各ストレスフルイベントに対し,例えば,【妊娠を受け入れない】というネガティブな方略パターンから【妊娠に向き合う】へ,または不仲な【実母に告げない】から【実母との関係を強めようとする】などのポジティブな対処方略パターンを取るように変化した。この変化のターニングポイントとしては,胎児への愛着や頼りないパートナーに見切りをつける,実母との関係修復があることが示された。