抄録
著者らは,山地の生産土砂量と地形量の関係について地形および地質の情報による傾向の分析を行ってきた。それによると,生産土砂量を地質別に分けて集水域での1kmメッシュ単位の傾斜の合計と比較したところ両者の間には相関がみられたが,崩壊調査事例とダム堆砂量をまとめて扱っていたこともあり,明確な傾向を把握するには至っていなかった。そこで,これらの資料のうちダム堆砂量に絞り,北海道地域のデータを追加して同様の分析を行ったところ,集水域内でのメッシュ傾斜の合計と平均的なダム堆砂量との間に比較的よい相関があることを見出した。今後,データを追加してその傾向の確認を引き続き行う予定である。