抄録
中硬岩を掘削する延長2kmの山岳トンネル工事における、トンネル切羽前方探査の現地適用結果を用いて、3成分弾性波反射法切羽前方探査(TSP203)のもつ探査能力を検討した。その結果、探査可能な反射面の走向傾斜の範囲、切羽からの深度、最終的な地山判定結果と探査結果との誤差などが明らかとなった。またTSP203を用いることで新たに可能となった、切羽前方における弾性波速度変化の推定結果を検討し、その特徴を考察した。そこでは、Vp/Vs比の、同位置で実施したさぐり削孔による穿孔エネルギーとの関係が示された。