抄録
土の力学的性状を、土粒子間に作用する物理化学的な結合力と結びつけて解明することは従来ほとんど行われていない。本研究では、カオリン粘土を対象として、土中水の存在状態の変化に伴う引張強度の変化を土粒子間に作用する結合力により定量的に説明することを目的とし、実験的および理論的検討を行った。本報その1では、飽和状態からの含水量の減少に伴う備前粘土の引張強度の変化を測定する実験を実施した結果について報告する。含水量の減少に伴って引張強度は上昇していき、含水比0%においてピークを迎えるという特徴的な結果を得た。