抄録
流動問題などでは非排水条件は満足されず密度が大きく変化する.また間隙水圧上昇時にあっては,有効拘束圧が大きく変化し,密度・有効拘束圧依存性を有する構成モデルが必要となる.この目的を達成するモデルとして2つのアプローチが提案されている.限界(定常)状態を仮定し,非関連流動則を用いたモデル化と構造・過圧密効果を考慮した上下負荷面モデルである.この中間に位置するモデルもある.この報告では,この2つのアプローチがどのようにして密度・拘束圧依存性を表現するのか,そのメカニズムについて比較・検討を行う.簡便さにおいては,非関連モデルが優れているが,多くの土への適用性については,上下負荷面モデルが優れている.この問題においても,砂の摩擦とダイレイタンシーを基礎とする構成モデルとCam clayを基本とするモデルの根本的な差異は克服されていない.