耳鼻と臨床
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原著
グリセロールテストを施行した外来患者の臨床像の検討
菅村 真由美今村 明秀原田 博文上野 哲子宮城 司道中川 尚志久保 和彦
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2012 年 58 巻 4 号 p. 149-156

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抄録

内耳疾患の多くは原因不明であり、その病態生理を探ることはその後の治療においても極めて重要である。いくつかある内耳機能検査の中でも、グリセロールテストは外来で簡便にできる内リンパ水腫推定検査である。今回、われわれは、福岡大学病院耳鼻咽喉科外来にてグリセロールテストを施行した患者 53耳(年齢は 15歳 -71歳、男性 20名、女性 33名)に対し、難聴の臨床像とともに種々の検査結果とグリセロールテストの関連について検討を行った。グリセロールテストは蝸牛系の検査としては有効であるが、前庭機能を反映しているとはいえないと考えられた。内リンパ水腫推定には、外来で簡便にできるグリセロール試験だけでなく蝸電図やフロセミド試験等も積極的に行っていく必要があると思われた。

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© 2012 耳鼻と臨床会
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