耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
原著
骨性病変を伴った中耳真珠腫症例の検討
河野 浩万
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 65 巻 1 号 p. 5-10

詳細
抄録

過去5年間に手術加療を行った後天性中耳真珠腫新鮮例 51 例のうち、骨性病変を伴った症例を 7 例経験した。いずれも弛緩部型中耳真珠腫で 7 例中 6 名が女性であった。術前に鼓膜内陥部に肉芽形成を伴った例において、骨性病変が有意に高率に形成されていた。5 例で耳小骨固着を来しており、3 例で乳突洞口が骨性に狭窄ないし閉鎖していた。 骨性病変の存在は、いずれも真珠腫の進展部位に限られており、真珠腫上皮が骨性病変の形成に深く関与していることが示唆される。病理組織像では、骨性病変は骨髄腔構造を有した不規則な層状骨からなっており、慢性炎症に対する反応として形成されたものと推定された。しかしながら、その病態から鼓室硬化性病変とは明らかに発生機序を異にするものと考える。

著者関連情報
© 2019 耳鼻と臨床会
前の記事 次の記事
feedback
Top