耳鼻と臨床
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原著
局所麻酔下に外来日帰りで行う経口的喉頭内視鏡手術
髙島 寿美恵金子 賢一
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2020 年 66 巻 5 号 p. 163-167

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抄録

経鼻的に軟性内視鏡、経口的に鉗子等を挿入して局所麻酔下に喉頭・下咽頭病変に対し手術や生検を行う手技は、低侵襲で外来でも施行可能であり、当科では術者と助手の 2 名、または術者単独で行っている。この経口的喉頭内視鏡手術の有用性、安全性について検討した。対象は 2015 年 1 月 − 2019 年 11 月に長崎大学病院耳鼻咽喉科にて局所麻酔下に本術式を行った 78 名で、疾患は喉頭・下咽頭疾患 79 例(腫瘍 33 例、一側性声帯麻痺 16 例、声帯ポリープ 8 例、喉頭肉芽腫 7 例、声帯結節 5 例、その他 10 例)である。結果は、これらに対し声帯内注入 79 件、生検 35 件、腫瘤切除 24 件、嚢胞切開 4 件、レーザー蒸散 1 件の計 143 件(重複 3 件)を行い、助手と 2 名で 83 件、術者単独で 57 件を施行しそれぞれ 98.8%、94.7%といずれも高い完遂率であった。合併症は喉頭浮腫と血管迷走神経反射が各 1 例みられたが、いずれも軽症であった。本術式は、有用で安全な術式であると考えられた。

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