耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
症例報告
副鼻腔炎の根治に摘出を要した上顎洞逆生歯牙の 1 例
大塚 雄一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 68 巻 1 号 p. 38-42

詳細
抄録

歯冠が逆方向に向かう歯牙の転位を逆生歯牙といい、時に固有鼻腔内や上顎洞に萌出する。上顎洞の逆生歯牙は副鼻腔炎の原因となり根治には逆生歯牙の摘出を必要とすることがある。症例は 45 歳男性、右慢性副鼻腔炎に対して前医で内視鏡下鼻副鼻腔手術を受けるも副鼻腔炎が改善しなかった。当院受診時の CT で右上顎洞に軟部陰影と骨破壊を認め、右上顎洞底と右上顎歯槽に逆生歯牙を認めた。内視鏡下鼻副鼻腔手術を行い、同時に下鼻道から上顎洞にアプローチして上顎洞底の逆生歯牙を摘出したところ副鼻腔炎が完治した。

著者関連情報
© 2022 耳鼻と臨床会
前の記事 次の記事
feedback
Top