耳鼻と臨床
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血圧変動と内耳血流動態
岡本 文里長谷川 誠小松崎 篤
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1991 年 37 巻 5Supplement6 号 p. 1244-1248

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抄録

全身の血行動態のホメオスタシスは, 自律神経系の働きにより保たれていると言つても過言ではない. また, 内耳の血流障害は内耳機能障害の病態生理に大きく関与しているとされている. そこでわれわれはドブタミン, アンギオテンシンII, 塩酸ジラゼプを静脈内投与して, 血圧や皮膚血流に変化を及ぼしたときの内耳血流, とくに今回は蝸牛血流の変化を観察した. いずれの場合も内耳血流は上昇したが, ドブタミン投与時には血圧も, 皮膚血流も上昇した. アンギオテンシンII投与では血圧は上昇したが皮膚血流は低下した. 塩酸ジラゼプ投与では, 血圧も皮膚血流も低下した. またネンブタール致死量投与時には血圧と皮膚血流の急速な低下に対して蝸牛血流は比較的保たれる傾向にあつた. これら蝸牛を中心とした内耳血流の動態は, 当然前庭系の血流動態とも密接な関連があり1), 今後この方面の検討も期待される.

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