耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
花粉症に関連したアレルギー性耳下腺炎の1例
岸本 麻子浜野 巨志南 豊彦多田 直樹中川 のぶ子井野 千代徳山下 敏夫
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 48 巻 5 号 p. 326-330

詳細
抄録

反復性の耳下腺腫脹を主訴とした症例の中でも、アレルギーによるものは少ない。その中で、著者らは花粉症に関連したアレルギー性耳下腺炎を経験した。症例は38歳の女性で、花粉症により鼻閉が出現した後にしばらくすると左耳下腺が腫脹するという症状を認めた。患側の耳下腺から流出した唾液中には好酸球が多数認められ、アレルゲン検査ではスギ、ヒノキ、ブタクサが陽性であった。また、耳下腺造影ではステノン管の著しい拡張を認めた。本症例に対し抗アレルギー剤などによる治療を行い、今日まで約4年間にわたり良好なコントロ-ルが得られている。以上の経過より、この疾患の発生機序として導管の拡張によるアレルゲンの逆流を考えた。すなわち、鼻閉が出現した後にしばらくして耳下腺が腫脹する事実から、口呼吸により吸い込んだアレルゲンが口腔内に貯留して拡張した導管から逆流することにより耳下腺炎を生ずると考察した。

著者関連情報
© 耳鼻と臨床会
前の記事 次の記事
feedback
Top