耳鼻と臨床
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[第31回日本嚥下医学会]突発性難聴の治療後に嚥下障害が出現し,急激な進行から
ギラン・バレー症候群が疑われたサルコイドーシスの37歳男性例
谷口 洋下山 隆井上 聖啓落合 文
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2008 年 54 巻 6Supplement2 号 p. S157-S161

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抄録
症例は37歳,男性。右側難聴が出現し,突発性難聴の診断で副腎皮質ステロイドを内服した。難聴は改善したのでステロイドを中止したが,左動眼神経,両側三叉神経,両側舌咽迷走神経障害が約10日間で急速に進行した。頭部MRIは正常で,髄液蛋白が上昇し,急激な経過からギラン・バレー症候群を疑い,大量ガンマグロブリン療法を施行した。しかし,症状が進行したのでステロイド治療を追加したところ,多発脳神経障害は改善傾向となった。その後,ツベルクリン反応陰性,肺門部・涙腺・耳下腺のガリウムシンチ集積像陽性,気管支肺胞洗浄液の総細胞数とリンパ球増加. CD4/8比上昇からサルコイドーシスと診断した。一連の症状は難聴も含めサルコイドーシスによるもので,ステロイドの早期中止がその後の多発脳神経障害を引き起こしたと考えられた。サルコイドーシスによる脳神経障害は時に症状の進行が早く,ギラン. バレー症候群と鑑別を要することがある。
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