日本耳鼻咽喉科学会会報
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総説
オフィスサージャリーの適応と限界 ―喉頭, 音声領域―
部坂 弘彦
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2007 年 110 巻 2 号 p. 49-52

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抄録

喉頭, 音声領域において, 我々はフレキシブルファイバースコープ (以下ファイバーと略す), ストロボスコープ (以下ストロボと略す) を利用し, 外来において局所麻酔下にOffice Surgeryを施行している. 使用する器具は, ファイバーはオリンパス社製電子スコープENF Type VT, ストロボはKAY社製のものを使用し, 鉗子口より数種類の鉗子, 注入針を利用して手術を行っている. 一昨年より電子スコープを導入することによってより鮮明な画像が得られ, 粘膜波動の状態を詳細に観察できるようになった. 現在まで喉頭蓋嚢胞16例, 声帯ポリープ約450例, 声帯嚢胞26例, 反回神経麻痺に対する声帯内アテロコラーゲン®注入術約300例, けいれん性発声障害に対するBotulinum Toxin (Botox®) 声帯筋内注射11例を施行した. 医療機器の進歩により診断技術の精度が向上した. また症例を重ねることにより, より確実な手術操作を行えるようになってきた. 各疾患における適応, 限界について検討した.
1. 声帯ポリープ
適応 : ポリープの大きさが3-4mm程度で有茎性のもの. ストロボ上軟らかい粘膜波動を認めるもの.
限界 : 広基性ポリープ, 声帯結節, ポリープ様声帯, Professional voice user.
2. 声帯嚢胞
適応 : 類表皮嚢胞 (epidermoid cyst) の再発例, 貯留嚢胞 (retention cyst) で隔壁がほとんど見えない症例.
3. 喉頭蓋嚢胞
適応 : 咽喉頭異常感を主訴とする喉頭蓋舌面に存在する嚢胞で呼吸困難を伴わない症例.
4. 反回神経麻痺
適応 : 一側性声帯麻痺で発声時声門閉鎖不全の小さな気息性嗄声を呈する症例, および全身麻酔下の音声改善手術 (声帯内転術, 甲状軟骨形成術など) が不可能な症例. 発声時声門間隙の大きな症例, および声帯筋の萎縮が高度な例では限界がある.
5. 過緊張性性発声障害
適応 : Spasmodic Dysphonia (SD) の患者, またMuscle Tension Dysphonia (MTD) で音声治療にて改善できない症例に適応がある.

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© 2007 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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