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日本耳鼻咽喉科学会会報
Vol. 110 (2007) No. 6 P 461-465

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http://doi.org/10.3950/jibiinkoka.110.461

原著

近年, 頭頸部癌に対する治療として, 機能や形態温存を考慮し, 化学放射線療法を行う症例が増加傾向にある. 腫瘍が残存や再発した場合, 当科では可能であれば救済手術を選択しているが, 口腔・中下咽頭癌における救済手術に関する報告は少なく, その有効性や問題点について明らかとなっていない.
今回, われわれは照射後に原発部位の残存や再発を認め, 救済手術を施行した口腔・中下咽頭癌症例の術後合併症とその予後について検討した.
[対象] 1994年から2003年の10年間に, 根治照射後に原発部位が残存または再発した舌24例, 口腔底5例, 中咽頭4例, 下咽頭4例の扁平上皮癌37例を対象とした.
[結果] 術後合併症は37例中14例 (37.8%) に認め, 創部感染9例, 咽頭皮膚瘻6例, 誤嚥性肺炎2例, 皮弁部分壊死2例, 皮弁全壊死, リンパ漏, 頸動脈破裂がそれぞれ1例であった. 各因子と合併症の発生に関して有意差を検討した結果, 再建手術施行群 (p=0.031) と化学療法併用群 (p=0.049) が有意に関連していた. 術後の5年粗生存率は全体で70.7%であった. また, 有意ではなかったが初発時の病期が早期の症例群で予後が良好であった.
[結論] 口腔・咽頭癌症例における照射後の救済治療として, 手術療法が有効であると考えられる. 再建手術施行例と化学療法併用例では術後合併症への対策が必要である.

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