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日本耳鼻咽喉科学会会報
Vol. 110 (2007) No. 8 P 586-591

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http://doi.org/10.3950/jibiinkoka.110.586

原著

スティック型嗅覚検査法 (OSIT) は, 嗅覚障害者の診断にも有用であることが明らかとなっている. さらなる用途拡大の可能性を目指して, 人間ドック受診者を対象としてスクリーニング検査としての有用性を検討した. NTT西日本金沢病院における人間ドック受診者83名 (男性49名, 女性34名) を対象とした. 自覚的な嗅覚の程度を6段階で示すとともに, OSITのうち3臭 (ばら, カレー, 蒸れた靴下) を用いた検査を行った. 自覚的に嗅覚障害を疑われた対象ならびにスティック型検査で2点以下の対象に残る10臭のスティックを用いて検査を行った.
83名中11名が自覚的に軽度以上の嗅覚低下があると回答し, 38名が3臭のスティック型検査で2点以下を示した. 13臭での精査の結果, 3臭での検査が2点であった29名中7名が, 斉藤らが示す “標準より劣る” 8点以下であった. 2点であった被験者で嗅覚低下の自覚を有する群は, 嗅覚低下の自覚を有さない群と比較し, 8点以下である割合が有意に高かった. また3臭での検査で1点以下であった被験者では, 嗅覚低下の自覚と8点以下である割合の相関は認めなかった. さらに男性に精査対象の被験者の割合を多く認めたが, 精査群での嗅覚低下の検出率に, 男女間の有意差は認めなかった. OSITの3臭を用いた検査とアンケートを併用することで, 人間ドックでの嗅覚障害スクリーニングがより効果的に運用されると思われた.

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