日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
手術用顕微鏡下に行うコブレーション口蓋扁桃摘出術
藤原 啓次河野 正充小上 真史林 正樹戸川 彰久田村 真司山中 昇
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2011 年 114 巻 12 号 p. 924-927

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抄録

口蓋扁桃摘出術 (扁摘) の症例数は減少傾向にある. 従来の扁摘では止血操作が煩雑で, 術後出血のリスクがある割には手術点数が低いことが原因の一つと考えられる. コブレーションを用いた扁摘 (コ扁摘) は術中出血量が少なく, 手術時間の短縮, 術後疼痛の軽減という利点がある. 特に術後疼痛に関して, コ扁摘では約40%の例で術後疼痛をほとんど訴えなかった. コ扁摘においても術後に少量の出血を認めることがあるが, 経験症例数とともに改善される.
コ扁摘はその方法を正しく理解することにより, 出血の非常に少ない, 患者にとって痛みが非常に少ない優れた手術法と考えられる.

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© 2011 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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