日本耳鼻咽喉科学会会報
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総説
味覚障害の診断と治療
阪上 雅史
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2012 年 115 巻 1 号 p. 8-13

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抄録

「味覚障害診療の手引き」によると味覚障害患者はこの10年間で1.8倍に増加している. 特発性, 亜鉛欠乏性, 薬剤性の3大原因の他に心因性の増加がみられる. 症状は味覚脱失と減退が大部分を占めるが, 口腔乾燥症や舌痛症も増加している. 味覚検査は, 保険適応の電気味覚検査と濾紙ディスク検査の他に, 微量金属を測定する血液検査, 自覚症状を測るVAS, 顕微鏡による舌乳頭の観察, 唾液量検査, 自己評価式抑うつ尺度 (SDS) などを行う. 味覚障害の治療は亜鉛補充療法を3-4カ月間行う. 自覚症状の治癒率は60-70%, 改善以上は70-90%であるが, 電気味覚検査・濾紙ディスク検査の改善率は30-40%と低く解離がみられる. 症状発現から受診までの期間が6カ月未満であると, 改善率が高く改善期間も短い傾向にあった. ポラプレジンクの味覚障害に対する第II相臨床試験では, ポラプレジンク300mg/日はプラセボに対して有効性がみられ, 150mg/日は80%の有効率がみられた.

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© 2012 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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