日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
内視鏡下手術を行った外傷性耳小骨連鎖離断の2症例
小林 泰輔伊藤 広明小森 正博兵頭 政光
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2013 年 116 巻 12 号 p. 1320-1325

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抄録
近年, 内視鏡下耳科手術 (EES) が行われるようになったが, 内視鏡下鼻内副鼻腔手術のように広く普及していないのが現状である. 本報告では耳小骨離断に対して EES を行った2症例を呈示する. 症例1は33歳, 男性の左側頭骨縦骨折例である. 平均45.0dBの混合難聴があり, EES を行ったところ, キヌタ・アブミ関節が離断していた. 術後聴力は平均18.3dBに改善した. 症例2は30歳, 男性の右側頭骨縦骨折例である. 平均56.7dBの混合難聴があり, EES でキヌタ骨の変位とアブミ骨前脚骨折を認めたため, 自家キヌタ骨を用いてIV i -Mで連鎖再建を行った. 術後聴力は平均18.3dBに改善した. EES の適応と有用性や課題について考察を加えた.
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© 2013 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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